研究について

専門分野

保全性工学・状態監視保全・信頼性工学

研究テーマ

状態監視緊急保全:現時点の安全を保つ

  • 単調方策(Monotone Procedure)が最適となるための必要十分条件の検討
  • k-out-of-n 型保全方策の最適性
  • 多変量正規分布に基づく最適状態監視保全
  • load-sharing k-out-of-nシステムの最適負荷配分

状態監視計画保全:将来の事故や故障を回避する

  • Control Limit Policyが最適となるための必要十分条件
  • 独立でない複数モニターによる構成されたモニタリングシステムにおけるControl Limit Policyの最適性の検討
  • 環境条件を考慮したPOMDPモデルを用いた最適保全方策

研究概要

社会インフラ、電力システム、航空機など運用が長期にわたる製品やシステムを安全に運用し続けるには、図1のように継続的な保全が必要不可欠です。それらの保全は、適切な時期に無駄のない適切な内容で実施されることで、システムの性能と信頼性を経済的に維持します。適切な保全の実施には、点検やモニタリングによるシステムの状態の把握が欠かせません。例えばエレベータの保全では、作動点検と定期点検を組み合わせ、また電力システムは常時状態監視と定期点検の組み合わせ、といったように適切な状態監視方法は対象によって変わります。またシステムの複雑さに応じて、保全内容の候補の数は急激に増大する上に、状態に応じた選択と保全の実施の重要さも、いよいよ増すばかりです。


当研究室では図2のように、対象システムを一定の監視下において保全を行う状態監視保全を中心に研究を進めています。事故や故障を未然に防止する状態監視保全のために、運用状態等のモニタリング情報、使用・環境条件等の顧客情報および過去の運用・保守・修理の履歴の活用、またユーザとの情報共有等による、最適な保全の確立を目指しています。


詳しくは下記の資料をご参照ください(学内からであればご覧いただけます。)
REAJ誌研究紹介
JSQC誌研究紹介

保全性工学と信頼性工学の関係

信頼性工学は高い信頼性を耐久性、保全性、設計信頼性の3つの側面で確保する学問です。それらは信頼度評価、保全計画、信頼性設計の3つの分野に繋がります。私たちの社会は交通網と情報通信ネットワーク等様々なシステムに支えられています。例えば道路の大規模陥没など、運用中の何れかのシステムにトラブルが発生すると、社会や経済に甚大な影響を与えかねません。製品やシステムを期待通りに動作させ続ける信頼性の維持・向上が、トラブルを未然に防ぐための重要な鍵です。